ドル・コスト平均法は気休め?意味がある?

ドル・コスト平均法という投資手法があります。すごく簡単に言うと、毎月一定の金額を積立てるという投資の事です。

この手法は、非常に有利だという意見を持っている人が多いようです。その一方で、全く意味がないという意見もあります。単なる気休めであると。

実際のところはどうなのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。

ドル・コスト平均法という投資手法があります

価格変動のある金融商品に定期的に一定額を投資する投資方法を、ドル・コスト平均法と言います。なぜこんな特別な呼び名が付いているかと言うと、この方法には大きなメリットがあると言われているからです。もっと言うと、有利だと言われています。

具体的な金融商品でいうと、投資信託の積立は、まさにこの方法にのっとった運用方法ですね。投資信託を毎月一定額買い付けますし、投資信託は価格変動がありますから。

この他には、株式の積立である「株式るいとう」なども該当します。毎月一定額株式を買うのが「株式るいとう」です。

価格変動がある金融商品の積立がなぜ良いのか?

さて、リスク商品の積立投資をすると、何が良いのでしょうか。

ドル・コスト平均法にどんな効果があるかというと、毎月一定額を買う事になるので、価格が高いときには少なく購入し、価格が安いときには多く買う効果があるとされています。

つまり、安売りしているときにたくさん買えるのです。逆に、値段が高い時には自動的に節約ができるわけですね。

ということで、投資方法としては、たいへん合理的な方法であると信じている人がいるわけですね。

この説明だけではちょっと分かりづらいでしょう。具体例を挙げて考えてみましょう。

投資信託を積立てた場合どっちが有利?

田中さんは株式に投資する投資信託を購入しようとしているとします。この投資信託を、何回かに分けて買う事にしました。

パターンA:ドル・コスト平均法で投資した場合

購入するタイミングを分散しようとした田中さんは、毎月1万円ずつ投資したとします。

最初の5ヶ月の1口あたりの基準価額は以下のように推移したとしましょう。

初回:1口=1円
2回目:1口=1.2円
3回目:1口=1円
4回目:1口=0.8円
5回目:1口=1円

基準価額の推移としては、一旦2割上昇し、その後もとの価格に戻っています。さらにそこから2割下落しています。そして、最終的に元の値段に戻っています。

基準価額としては、変わっていないのですが、損得という点ではどうなのでしょうか?

購入口数を計算するために、毎月何口購入できたのか計算して見ましょう。

初回:10,000口
2回目:8,333口
3回目:10,000口
4回目:12,500口
5回目:10,000口

これらを合計すると、5ヶ月の合計で、50,833口になります。最終的には1口1円なので、時価は50,833円になっています。

投資額の合計が50,000円なので、時価評価すると833円の利益と言うことになります。わずかながら、利益が出ている計算です。

パターンB:毎月1万口購入した場合

田中さんは、比較のために、仮に毎月1万口購入したらどうなっていたか計算してみました。この場合は、毎月の購入額は次のようになります。

初回:10,000円
2回目:12,000円
3回目:10,000円
4回目:8,000円
5回目:10,000円

上の数字を合計すると、購入金額の合計は5万円であることがわかります。購入した口数は毎月1万口ずつ買ったので、当然5万口です。

現在1口=1円のなので、投資信託の時価は5万円ということになります。要するに、毎月一定口数買った場合は、損も得もしなかったことになります。

この計算をした田中さんは、自分の投資方法が間違っていない事を確認し、安心しました。

比較の結果

この2つの結果から次のことがわかります。

「毎月一定額購入した場合は利益が出て、毎月一定口数購入した場合は損も得もしなかった」

つまり、毎月購入するなら、一定額購入した方が平均すると安く買えるという事ですね。少なくとも、基準価額が今回のような変動をした場合は、ドル・コスト平均法は有利という事です。

毎月一定額買うほうが得な理由

それでは、何でこのような事が起こったのでしょう。

一定額購入するという方法をとると、安いときに自動的にたくさんの口数を買うことができます。逆に、価格が高いときには、自動的に購入する口数を減らすことができるのです。

今回の場合で言うと、1口が1.2円と高いときには8,333口しか買っていません。逆に、1口が0.8円と安いときには12,500口買えているのがわかります。

高いときに少なく買い、安いときにたくさん買うことで、利益を上げることができたわけです。

大事なことなので、もう一度書いておきましょう。

★毎月一定額買うと、安いときにたくさん購入することができる。
★毎月一定額買うと、高いときには少ししか買わないようにできる。

このような考え方をドル・コスト平均法と言うのです。長期投資をするときには、ドル・コスト平均法を使い、購入額を引下げるのが賢い方法だとされています。

この意見に対する反論もある

ちなみに、ドル・コスト平均法のメリットに関しては、強く否定する人もいます。楽天証券の山崎元氏などがそうですね。ドル・コスト有利でも何でもないというのです。ただの気休めだと。

上に挙げた例のように、ドル・コスト平均法が有利なのは、価格が上下に変動するケースのみだといのが反対派の主な主張です。ずっと上昇するような局面では、定額よりも同じ株数(投資信託なら口数)を買った方が有利というのです。

これは確かにその通りで、上野ように実例を挙げて計算してみれば、簡単に確認できます。

また、タイミングを分散して買ったところで、価格変動のリスクは小さくなりません。いわゆる分散投資の効果は無いのです。

なぜかというと、いわゆる分散投資というのは、反対の値動きをする金融商品を組み合わせることで価格変動を小さくすることだからです。でも。ドル・コスト平均法は同じ金融商品をタイミングをずらして買うだけなので、リスクの低減にはならないのです。

ということで、投資理論を当てはめて考えると、ドル・コスト平均法は有利でも何でも無いわけです。まあ、理屈で考えると、効果が無いという主張の方が説得力がありますね。

タイミングを分けて買うのは損

ドル・コスト平均法が意味が無いとすると、まとまったお金があるときにタイミングを分けて買うというのは意味無いことになってしまいます。それどころか、むしろ損である可能性もあります。

例えば、あなたが1億円持っていたとして、これを何回かにわけてAという投資信託を買う事にしたとします。3か月に1回、2,500万円ずつ買うというような感じですね。

これはドル・コスト平均法的な買い方ですが、実は、ドル・コスト平均法が無意味だとすると賢いやり方ではないのです。なぜなら、投資というのは時間の経過とともに資産が増える事を前提に行うからです。

一部の資金を、わざとタイミングを遅らせて投資することで、収益機会が減ってしまうわけですね。つまり、まとまったお金を持っている人がタイミングを何回かに分けて買うのは、意味がない行為だと言えます。

有利どころか、むしろ損なのです。収益の機会を失う事になりますから。

仮に、Aという一つの投資信託を買うのがリスクが大きすぎると思うのであれば、タイミングをずらしても無意味です。そんなことをするなら、何本かの投資信託を組み合わせる方が合理的でしょう。

日本株に一度に突っ込むのが怖ければ、外国株も一緒に買うわけですね。あるいは、REIT を買ったりすればいいのです。

少なくとも、金融でいうリスクとリターンの考え方の基本から導かれる結論は、そういう事です。

「タイミングは少しでも早く」「リスクを小さくするためには分散をする」というのがポイントです。

毎月定額を積立てるのは意味がある

とは言え、一般のサラリーマンの家庭では、積立投資はとても意味がある事です。なぜなら、一般の家庭の場合は、既に持っているまとまったお金を何回かに分けて投資しているわけでは無いからです。

普通は積立って、給料として新しく入ってきたお金を投資に回すわけですよね。という事は、投資に使うべきお金全てで金融商品を買うことになるわけです。

これだったら、投資としては、全く問題がありません。

一般家庭で問題があるケースが起こるとしたら、退職金でしょうか。退職金の場合は、何回かに分けて金融商品を買うという人もいるでしょうからね。

まとめ

色々書いたので、最後に簡単にまとめてみましょう。

まずドル・コスト平均法というのは、実はあまり意味がありません。投資のタイミングが遅くなるので、投資としては逆効果という事すらできます。

リスクが高くて気になるというのであれば、リスクの低い金融商品を買うか、分散投資をして調整する方が賢明です。

ただ、毎月の給与を積立てるのは悪いことではありません。積極的に積立商品を利用しましょう。

証券会社選びに迷ったらSBI証券かGMOクリック証券がおすすめ

証券会社選びに迷ったら、どの証券会社を選べば良いのでしょうか。個人的にはSBI証券かGMOクリック証券をおすすめします。

SBI証券は品揃えも多く、手数料も比較的安い証券会社です。オリコンによる顧客満足度調査でトップの常連でもあります。

GMOクリック証券は手数料が安い証券会社です。また、オリコンの顧客満足度調査でも常に上位にいる会社でもあります。

スポンサードリンク

スポンサードリンク


タグ: , ,

関連した記事を読む


コメントは受け付けていません。