投資信託はすごく儲かります…誰が?

投資について確信を持って言えることがあります。それは「投資信託は儲かる」ということです。

ただ、残念なことに、儲かるのは投資家ではありません。決して、投資家一人が損をすることでもありませんけどね。「必ず儲かる」と言い切ることもできません。

それでは、投資信託で儲けられるのは、一体誰なのでしょうか。

金融機関が投資信託を売りたがるのはなぜだろう

投資信託は、すごく儲かります。これは間違いありません。

ただ、問題は「誰」が儲かるかです。残念ながら、投資信託で儲かるのは、投資家であるあなたではありません。

もちろん、あなたが投資信託で儲かる可能性が無いわけではありませんよ。それは否定しません。

というか、正しく投資信託を選ぶことが出来るのなら、有利な商品とさえ言えます。個別株や不動産などで運用するのに比べたら、投資信託は正しい選択でしょう。

でも、もっと確実に儲けている人がいるのです。それは、もちろん、投資信託を売る金融機関です。あと、投資信託を設定・運用している投資信託会社も儲けているでしょう。

熱心に売っている姿を見れば明らか

最近では、証券会社はもちろんの事、銀行や生保などでも投資信託を売っています。投資信託会社が直接売る、直販という仕組みもあります。

特に、銀行の力の入れようは、かなりのものです。おそらく証券会社よりも、既に銀行の投資信託のシェアは大きいでしょう。

その理由を考えてみれば、「投資信託を売る金融機関が儲かる」と上に書いた理由は明らかですよね。利益が大きいから、力を入れて販売しているのです。

世の中には、銀行や証券会社に対して、何か公共的なイメージを持っている人もいるようです。でも、彼らだって所詮は営利企業です。

儲かるものを積極的に売るというのは、全く持って当然の行為なのです。しかも、自分たちにとって有利な商品を売りたいと考えています。

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それでは、金融機関がどの程度儲かるのか、簡単に計算してみましょう。

具体例を使って計算してみましょう

具体的に、一つの投資信託を例にとって、計算してみましょう。

ここから議論するのは、ある一本の投資信託です。個別の投資信託の事を悪く言う気は無いので、敢えて名称は挙げませんけどね。

でも、実際に販売されている投資信託です。比較的良く売れているもので、世界のREIT に投資するタイプの投資信託です。

この投資信託の販売資料には、手数料については次のように説明されていました。

  • お申込手数料: 基準価額に3.15%(税抜3%)の率を乗じて得た額
    (お申込手数料=お申込口数×基準価額×手数料率)

  • 換金手数料: ありません。
  • 信託財産留保額: ありません。
  • 信託報酬: 純資産総額に対し年率1.575%(税抜1.5%)を乗じて得た額
  • その他費用: 組入有価証券の売買委託手数料、監査費用、借入金の利息、立替金の利息など

用語について、簡単に説明します。

申込手数料

申込手数料は販売手数料などとも呼ばれます。購入時に1回のみ支払う必要があります。購入金額の○%という形で取られるお金です。

例えば申込み手数料が3%なら、100万円の投資信託を買うと3万円の手数料を取られるというイメージです。

3%という手数料はそれほど大きくないと感じるかもしれませんが、投資額が大きければ数万円にも数十万円にもなります。投資をする際には、十分な検討が必要な項目の一つです。

信託報酬

信託報酬は、投資信託の運用資産から、毎日少しずつ徴収されるお金です。資料には年○%という書き方がされていますが、実際には、日割で少しずつ引かれています。

ですから、追加の代金の支払いは必要ありません。その代わり、あなたの投資信託の運用資産から手数料が少しずつ抜かれていくイメージです。

信託報酬は毎日抜かれるタイプの手数料です。ということは、運用期間が長くなればなるほど支払う手数料は大きくなります。

追加で支払うことはないので、手数料を取られているという実感が薄い人も多いようです。でも、投資信託において、信託報酬が最大の手数料になることが多いようです。特に、長期投資の場合は信託報酬の影響は大きいですね。

仮定のもとに金融機関の儲けを計算してみよう

さて、この投資信託を売ると、金融機関はどの程度儲かるのか計算してみましょう。簡単にするために、いくつか仮定をおかせていただきます。

  • 計算を簡単にするために、基準価額は全く変動しなかったと仮定します。
  • あなたはこの投資信託を100万円分購入したとします。
  • この投資信託を5年保有後に売却したとします。
  • 投資期間中、分配金は支払われなかったものとします。

こういった条件をおいて考えます。さあ、金融機関はいくら儲かるのでしょうか。

あなたと金融機関の損得は?

さてこの場合、あなたと金融機関の取り分は次のようになります。

あなた 金融機関
購入時 103万1500円の支払い 31,500円の売上(税込み)
運用期間
(5年間)
78,750円の売上(税込み)
(=100万円×1.575%×5年)
売却時 100万円の払い戻し
(31,500円の赤字)
トータル 3万1500円のマイナス 11万250円のプラス

高い手数料はハンデを背負って戦うようなもの

つまりこの投資では、あなたは3万円以上を損したにも関わらず、金融機関は11万円以上儲けているわけです。金融機関にとって投資信託は、「顧客の損得に関わらず、儲けられる商品」であるとご理解いただけるでしょう。

また金融機関の儲けは、結局のところ、あなたから支払われた手数料です。ということは、金融機関に支払う手数料を減らせば、あなたが儲かる確率が大きくなるともいえます。今回の投資だと、手数料が半分なら、最終的にプラスになっていた計算です。

手数料が減れば、浮いた分のお金が投資信託の基準価額を上げることにつながります。ということは、手数料が浮いた分、あなたの儲けになったわけですね。

逆に、当然ですが、金融機関の取り分は減ることになります。つまり、金融機関の取り分を減らすことはあなたのメリットになるわけです。

日本の投資信託は手数料が高いものが多い

今回例として使った投資信託の手数料は、日本の投資信託としては平均的なものです。しかし、世界的に見ると、かなり高いと考えられます。

どうやら、日本の投資信託は、海外と比べると手数料が割高なようなのです。つまり金融機関は、投資家に儲けさせるのではなく、自分たちが儲けることに一生懸命ということですね。

金融機関もビジネスですから、ある程度の利益を求めるのは仕方がありません。ただ、ちょっとがめつすぎる印象も有るわけです。

厳しいようですが、知らないほうが悪いのです

そして、高い手数料を払うという事は、マイナスからスタートするということです。つまり、投資で成功する可能性を小さくし、成功したとしても儲けが小さくなるのです。

はっきり言って、そんな選択をしたら、損をするに決まっていますよね。決まっているは言い過ぎでも、「損をしても当然」くらいのことは言えるでしょう。

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日本の金融機関は、個人投資家を食い物にしているといわれても仕方が無いでしょう。とはいえ、別にルール違反をやっているわけではないですからね。とがめることも出来ません。

本当はマスコミに頑張っていただきたいのですが、実際問題としては難しいでしょう。マスコミにとって金融機関は良いお客さんですから、それほど期待できません。

マネー雑誌などを見ていると、金融機関の広告がいっぱい載っていますよね。よっぽどのことがない限り、広告を載せてくれる会社を悪くは書けないものです。

ということは、投資家が賢くなるしかありません。賢くなって、「こんな手数料では買わない」と突っぱねられるようになれば、状況は変わるでしょう。まあ、しばらくはそんな事無さそうですけどね。

とありえず、金融機関が明確なルール違反をしてない以上、知らないほうが悪いのです。厳しいですが、騙された方にも原因はあります。

補足(2018年9月):銀行で投資信託を買うと損をする証拠が出てきた

最近になって、銀行で投資信託を買うと損をする確率が大きいことが明らかになりました。金融庁の調査で、46%の人が投資信託の含み損を抱えている事がわかったのです。例えば、朝日新聞の次の記事が参考になるでしょう。

国内29の銀行で投資信託を買った個人客の半分近くが、運用損失を出していることが金融庁の調べでわかった。運用成績は銀行ごとに大きな差異がみられたといい、各行の販売・運用姿勢や商品の品ぞろえが、顧客の資産形成に影響を及ぼした可能性がある。1

ちなみに、この調査が行われたのは2008年3月末時点です。経済は国内も海外も好調で、普通に投資をすれば儲かる状況でした。例えば、公的な年金を運用しているGPIF も、しっかり儲けています。

そんな状況で半分近くが含み損を抱えているというのは、常識では考えにくいことです。なにか不利な状況が有るとしか、言いようがありません。

そして、その大きな要因の一つは、銀行が取る手数料の高さでしょう。

金融機関に儲けさせるのではなく、自分が儲けるために

手数料の高い投資信託を買っていたのでは、金融機関を潤すことにしかなりません。それでは、私達は、どうしたら良いのでしょうか?

その答えの一つが、手数料に徹底的にこだわって、安い投資信託を買うことです。例えば、インデックスファンドを選ぶことなどは、その答えの一つとなりうるでしょう。


  1. 銀行の投資信託、46%の個人が「損」 金融庁問題提起
    朝日新聞デジタル 2018年7月5日19時19分 []

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