新光US-REIT オープンは、新光投信のアメリカREIT に投資する投資信託です。みずほ証券ではこの商品に力を入れているようですね。10ページ以上の冊子をつって店頭の目立つ位置で紹介していました。
もちろん、力を入れいている商品が良い商品とは限りません。この投信に関してはどうなのでしょうか。ちょっと考えて見ましょう。
アメリカのREIT のパフォーマンスは悪くない
この投信を見たときの最初の疑問は、「アメリカのREITである必要があるのか」というものでした。最近は世界のREIT に投資できる投資信託も存在します。アメリカに限定するメリットは何だろうと思ったのです。
パンフレットを見ると、アメリカの株式市場とアメリカのREIT の比較が出ていました。それを見ると、過去12年くらいで見る限り、REIT のパフォーマンスは良いようです。
どうも、このあたりがアメリカのREIT を推してくる要因のようですね。
過去のパフォーマンスを見えて、これは良い投資信託ですよと宣伝するのは、金融商品を売るときの常套手段です。でも、それに乗せられていいのかどうかが問題です。
市場価格というのは、将来の期待値を既に織り込んでいるはずです。ですから、過去10年ちょっとでパフォーマンスが良かったからと言って、今後もいいとは限りません。
また、過去のパフォーマンスを紹介するときに、基点の取り方をどうするかで印象はだいぶ違います。
なんにしても、アメリカのREIT 市場の過去のパフォーマンスのよさが、この投信の最大の売りなのでしょうね。証券会社や銀行の店頭で話を聞くと、この点を強調されることでしょう。
パンフレットを見る限り、これ以外に特に魅力的な部分というのはありませんでした。個人の感想ですけど。
アメリカのである必要はあるのか
さて、REIT に投資するのはいいとして、アメリカ市場に限定する必要があるのでしょうか。やっぱり、そこが一番の疑問です。
リスクを減らすという意味なら、アメリカだけでなく、世界的に投資したほうが良いでしょう。実際、世界のREIT市場に投資する投資信託も存在します。これを実行するのは難しいことではありません。
それでも、過去の好調を見ると、アメリカに絞って投資したくなる気持ちはわからなくもありませんけどね。でも、上に書いたように、市場は将来の予測を織り込んだ上で価格を形成していきます。ですから、株やら債権やらと比べて、アメリカのREIT が特に有望ということは無いはずなのです。市場が完璧でないとしても、ある程度はそう考えていいでしょう。
そう考えると、アメリカだけでなく、世界に投資するREIT を選ぶほうが良い選択には思えます。
保守的に行動するなら世界のREIT に投資するインデックスファンドを
さて、投信を使ってREIT に投資をするなら、個人的には、世界のREIT のインデックスファンドの利用をおすすめします。アメリカに限定しないほうがリスクを減らす効果がありますし、手数料もそちらのほうが安いです。eMAXIS シリーズが手数料も安くお勧めです。
新光証券のこの投信の場合、販売手数料に3.15%もとるところが多いようですからね。インデックスにしておけば、少なくともこの部分は浮かせます。さらに言うと、1.6065%の信託報酬もインデックスファンドなら半分くらいには出来るでしょう。例えば、eMAXISシリーズを使えば、0.63%と3分の1近くにまで減らせます。
ちなみに、どうしてもアメリカのREIT が買いたいのなら、ETFを利用するのも手ですね。手数料という点では、かなりお得なはずです。手数料を考えると、積極的にこの投信を選ぶ理由は無さそうな気がします。
資料を見ていても、アメリカ市場が有望という主張はわからなくはありません。でも、だからこの投資信託が良いというふうには思えないのです。アメリカのREIT に投資する他の投信でもいいはずです。なら手数料が安いほうが良いはずですよね。
まあ、投資はやってみないとわかりませんから、将来的にどうなるかは神のみぞ知るのところもありますけどね。投資は自己責任でお願いします。
・ REIT に投資するのなら、アメリカに限定するのではなく世界のREIT への投資が良いのではないかと思う。
・ アメリカのREIT に絞るなら、この投信でなくETF が良いと思う
証券会社選びに迷ったらSBI証券かGMOクリック証券がおすすめ
証券会社選びに迷ったら、どの証券会社を選べば良いのでしょうか。個人的にはSBI証券かGMOクリック証券をおすすめします。
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