信用取引とは| 要するにお金を借りたり株を借りたりして投資をすることです

株式投資を始めると、いずれ、「信用取引」という言葉を目にするようになるはずです。この信用取引というものが何なのか、簡単にチェックしておきましょう。

率直に言って、個人投資家が信用取引を行う必要は無いと思うんですけどね。個人の資産運用の基本戦略は、長期の分散投資で十分ですから。長期投資ということになると、信用取引はあまり向いていません。

とは言え、知識として知っておいて損はないはずです。また、資産運用ではなく、ゲームとして楽しむ分にはお勧めできます。

信用取引って何なのだろうか?

ある程度、株式の投資経験を積んで来た人の中には、信用取引に興味を持ち始めた人もいるでしょう。あるいは、株式投資をはじめる段階で、信用取引に興味を持っている人もいるかもしれません。

そもそも、信用取引っていったい何なのでしょうか。通常の株式の売買と何が違うのでしょうか。

それを知るために、まず、用語の定義を見ておきましょう。国語辞典を引いてみると、次のように説明されています。

しんよう‐とりひき【信用取引】
証券会社が顧客に一定の委託保証金を預託させ、買付代金または売付株券を貸し付けることによって行わせる株式取引。
(大辞泉)

信用取引について分かっている人が読むと、この説明には納得がいくはずです。しかし、良く知らない人が読んでも、チンプンカンプンでしょう。

はっきりって、この説明だけではぜんぜんわからないという人が多いはずです。そこで、もう少し噛み砕いて説明したいと思います。

「信用買い」と「信用売り」

まず、委託保証金を預託させるというのは、要するに「担保」としてお金を預けておくということですね。投資家が約束を守らなかった時に証券会社が損をしないように、最初に証券会社にお金を預けておくわけです。

信用買い

で、その委託保証金というお金を担保に、投資家はお金を借ります。そして、そのお金を使って株を買います。

これが信用取引の一つの形です。これを信用買いといいます。要するに、借金をして株を買うのが信用買いです。

将来その株を売って儲けた場合、その売却代金から証券会社から借りたお金を返します。株を売った金額と証券会社から借りたお金の差額があなたの儲けになります。

逆に、その株を買ったことで損をした場合、買った株を売却したお金を証券会社に返します。しかしそれでは足りないので、不足分を委託保証金から支払います。この委託保証金から支払ったお金が、あなたの損失ということになります。

信用買いに関しては、理解するのはそれほど難しくないでしょう。要は、借金をして株を買うというだけの話です。

信用売り

信用取引にはもう一つの形があります。

まず、委託保証金として預けたお金を担保にして、証券会社から株を借ります。そして、それを市場で売るという投資をします。

これは、「空売り」と呼ばれています。本来なら持っていない株を売るので、空売りです。

空売りは、信用売りとも呼ばれます。繰り返すと、「証券会社から株を借りてそれを売るのが信用売り」です。

信用売りでは、もちろん、将来的には株を買い戻して証券会社に返さないといけません。借りたものを返すのは人として当然ですからね。

買い戻した時の株価が売った時の株価よりも安ければ、安く買って高く売ったことになります。すなわち、この信用売り(空売り)で儲ける事ができるわけです。

逆に、買い戻した時の株価が、売った時の株価よりも高ければ、高く買って安く売ったことになります。つまり、信用売り(空売り)で損をしたことになるわけです。

信用売りで損をした場合は、委託保証金から差額を弁済します。これが信用売りの損失ということになります。

信用取引

そして、信用買いと信用売りの事を合わせて信用取引と言います。大雑把な概念としては、ご理解いただけたのではないでしょうか。

参考: 質問: 委託保証金とは何だろう?

個人投資家に信用取引は必要か?

さて、信用取引の基本がわかりました。ここで問題なのは、信用取引が個人投資家に必要なのかという点です。

個人的には、個人の資産運用において、信用取引は必要無いと考えています。というのも、個人の資産運用では長期間分散投資を続けることがベストだと思えるからです。

株式で運用するのであれば、国内外の株式のETF などを買って、それを放置しておくのがベストです。そして、資金に余裕が出来たら、追加でETF を買っていくわけです。

ポートフォリオ理論を信じるなら、これだけである程度は稼げるはずです。

ゲームとして楽しむ分には悪くない

とは言え、信用取引には将来の株価の予想ゲーム的な側面があります。また、本来持っているお金よりも大きなお金が動かせたり空売りができるという意味で、ゲーム的な要素もあります。

言い方は悪いですが、チップをかけてギャンブルをしているという側面もあるのです。そういう意味では、株式投資には無い面白さもあるでしょう。

そういうゲームを楽しむことは、必ずしも否定はしません。完全に合法ですし。

まあ、ゲームですから、節度を守ってやる必要はありますけどね。

補足:信用取引は投資ではない

少し補足しておきましょう。

信用取引に関しては、通常の株式投資にはないあるルールがあります。それは、信用取引では、基本的には、6か月以内に反対売買をしてポジションを解消しないといけません。

ポジションを解消するというのは、信用買いの場合は売却することです。信用売りなら買い戻すことですね。

通常の株式投資では、当然ながら、いつまでに売却するというルールはありません。というか、長期で持ち続けることを推奨する人が多いでしょう。

その意味で、信用取引と言うのは、全く異なるものであることが分かります。

要するに、信用取引と言うのは、売買のタイミングで儲けるわけです。投資と言うよりも投機に近いと言った方が正確でしょう。

誤解していただきたくないのですが、投機が投資よりも悪いとか、投機が投資よりも劣ると言いたいわけではありません。純粋に投資とは別物だと考えるべきだという事です。

上にも書きましたが、ゲームに近いというイメージがふさわしいのではないでしょうか。

補足:信用取引をしない人でも信用取引の知識は役に立つ事も

信用取引をしない人でも、信用取引の知識が役に立つことがあります。

信用取引では、上に書いたように、6か月以内にポジションを解消しないといけません。ということは、信用買いをされた株式は、6か月以内に市場で売られるという事です。

仮に信用買いの株式が多く残っていれば、将来それらが売られることになります。これは、将来の株価の下落要因と考えて良いでしょう。信用売りなら反対の判断が出来ます。

このように、信用取引をしない人でも、信用取引の基礎知識は利用できることがあるわけです。ですから、信用取引をするか否かにかかわらず、基本くらいは理解しておいても良いのではないかと思います。

信用取引についてもう少し詳しく

以下、信用買い、信用売りについて、もう少し詳しくご説明します。

信用買いとは| 要するにお金を借りて株を買うことです
信用売りとは| 株を借りて市場で売ってしまうという、知らない人には不思議な取引だと思います

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