近所の某証券会社の店頭に、投資信託のチラシがおかれていました。このサイトでも何度か書いていますが、店頭においてあるということは証券会社が売りたい投資信託ということですね。
その証券会社の場合、店を閉めている時には6つしかパンフレットが置けません。市債や社債などのパンフレットも置かれているので、投資信託のパンフレットは3種類か4種類程度ということが多いです。
その選ばれた数本の商品のうちの一つが、新光J-REIT オープンという投資信託でした。それだけ売りたい投資信託なら、きっと良い投資信託なのでしょう。誰にとって良い投資信託かはわかりませんけどね。
具体的にどんな投資信託なのか、ちょっと見てみましょう。
名称どおりJ-REIT に投資する投資信託
REIT は、日本語で言うと、不動産投資信託ですね。Jがつくので国内の不動産投資信託だと理解しておけば良いでしょう。
REIT は普通の投資信託とはちょっと違った商品です。具体的には、次の2点が特徴だと考えてください。
①債券ではなく実際の不動産に投資する
②上場型の投資信託である
今回紹介する新光J-REIT オープンという投資信託は、REIT を使って運用する投資信託という事です。株や債券ではなく、投資信託に投資する投資信託ということです。こういう投資信託を、ファンド・オブ・ファンズと言います。
ちなみに、この投資信託はインデックスファンドでもあります。連動する指数(ベンチマーク)は、東証REIT指数(配当込み)という指数だそうです。
手数料は安いのか
インデックスファンドということは、一番期待したいのが手数料です。何はさておき、まずチェックすべきは販売手数料と信託報酬でしょう。
みずほ証券で買った場合、新光J-REIT オープンの手数料は次のようになっています。
信託財産留保額: 0.1%
信託報酬: 年率0.6825%(税込)
これを見ると、販売手数料の高さはどうしても気になりますね。100万円分買ったら、2万1,000円の手数料を取られるということですよね。
正直に言って、販売手数料を取る段階で、選ぶべき投信とは言えない気がします。同じインデックスファンドなら、販売手数料がかからない、eMAXIS の国内リートインデックスの方をおすすめします。
ベンチマークも東証REIT指数(配当込み)と同じですし、信託報酬もこちらの方が安いです。eMAXIS を選ぶほうが、投資としては遥かに合理的な選択でしょう。
逆に言うと、この販売手数料こそが、パンフレットを店頭に飾っても売りたい商品だという事でしょう。販売手数料は全額が販売している金融機関の売り上げになりますからね。販売手数料2.1%の手数料は金融機関にはかなり魅力的なのです。
人気があるのは新光J-REIT オープンの方
さて、個人的には投資信託としてはいま一つと感じる新光J-REIT オープンですが、売れ行きはどうなのでしょうか。
実はこの投資信託、結構売れているようです。例えば、SBI証券の国内REIT のランキングでは、新光の投信がトップなのです。積極的な宣伝をしていないはずのネット証券ですら良く売れているのです。
常識的な投資判断からすると、まったく理解できませんけどね。販売手数料を取るようなインデックスファンドを選ぶ理由なんて、普通は無いはずですから。
新光J-REIT オープンに特徴的な点があるとすれば、この投資信託が毎月分配型であるという点くらいでしょうか。毎月分配型は、未だに人気があるようですからね。インデックスファンドに毎月分配金というのも、ちょっと変な話だと思いますけど。
まあ、投資家に有利な商品が、売れる商品というわけでもありません。こういうこともあるのでしょう。
少なくとも、販売実績では新光のJ-REIT オープンは比較的良く売れているという事のようです。モヤモヤしているので、人気の秘訣はぜひ知りたいと思っています。
証券会社選びに迷ったらSBI証券かGMOクリック証券がおすすめ
証券会社選びに迷ったら、どの証券会社を選べば良いのでしょうか。個人的にはSBI証券かGMOクリック証券をおすすめします。
SBI証券は品揃えも多く、手数料も比較的安い証券会社です。オリコンによる顧客満足度調査でトップの常連でもあります。
GMOクリック証券は手数料が安い証券会社です。また、オリコンの顧客満足度調査でも常に上位にいる会社でもあります。

スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連した記事を読む
- 新光US-REIT オープン(愛称:ゼウス)| 米REIT の過去のパフォーマンスが良いのはわかった。でも、この投信が良いのかは不明
- 投資信託の買付手数料, 申込手数料, 販売手数料とは| 名称は統一して欲しいなあ
- ちょっとした販売手数料の差が投資に与えるインパクト
- ノーロード・ファンドとは│ 販売手数料ゼロのものをわざわざ売る理由は何?
- REIT とは| 個人投資家が不動産に投資できるようになったという意味では画期的な商品です