ネット証券では、個人向け国債のキャッシュバックキャンペーンをやることがあります。例えば、SBI証券では次のようなキャンペーンをやっています。
このキャンペーンの概要は簡単に説明すると、一定額以上3年物の個人向け国債を買うとキャッシュバックがあるという仕組みです。キャッシュバックがある一番小さい投資額が50万円で、このとき1,000円のキャッシュバックがあります。
キャッシュバックというと、何か有利なものという印象がある人も多いでしょう。でも、50万円の投資で1,000円のキャッシュバックって、そんなに得な感じもしませんよね。率直に言って、ちょっと額が小さすぎる印象です。
そこで、ちょっと具体的に見てみましょう。
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元本に対して、たったの0.2%のキャッシュバック
まず、このキャンペーンの資格を満たすには、3年物の個人向け国債(固定金利)を50万円以上買わないといけません。既に書いたように、50万円分買った場合、1,000円のキャッシュバックを受けられます。
50万円の1%が5,000円ですよね。ということは、1,000円のキャッシュバックは、元本の0.2%相当のキャッシュバックということになります。
つまり、率で考えると、たったの0.2%の差しかないわけです。
もともとの金利が低いからリターンには一定の影響がある
3年物の個人向け国債の利率が年0.12%ですので、3年分で0.36%の利息がつく計算になります。キャンペーンもあわせて考えると、3年で0.56%のキャッシュバックがある計算になります。
もともと金利が低いので、リターンに対する影響はそれなりにありそうですね。低金利の時代ならではの現象と言えそうですね。
10年物の個人向け国債を買った方が有利
さて私個人としては、このキャンペーンには絶対にのりません。なぜなら、この程度の利息だと、10年物の個人向け国債を買って3年で解約する方が遥かに有利だからです。
10年物の個人向け国債は変動金利型なので、100%確実とはいえませんけどね。確率的には、かなり高い確率で10年物の個人向け国債の方が有利なはずです。
個人向け国債は解約に関する有利なルールがある
なぜこんな事がいえるかというと、個人向け国債には、解約についての消費者に有利なルールがあるからです。具体的には、発行から1年経過後は、定められた手数料を払うことで、国が個人向け国債を元本価格で引き取ってくれるというルールです。
そして、その手数料というのは、直近の1年分の金利に相当する額です。ということは、10年物の個人向け国債を3年で解約した場合は、最初の2年分の金利が手元に残る計算になります。そして最後の1年分の金利は手数料として取られます。
3年物と10年物の個人向け国債を比較してみましょう
ということは、10年物の個人向け国債の2年分の金利と、3年物の個人向け国債の金利とキャッシュバックの合計を比べれば、有利不利ははっきり比較することが可能です。そして、現在の金利水準で考えると、10年物の個人向け国債を3年で売却する方が、遥かに得だろうと考えられます。
なぜかというと、直近の個人向け国債の金利が年0.57%です。つまり、1年で3年物個人向け国債の3年分の金利とキャンペーン額の合計相当の額を稼げるのです。ということは、10年物の個人向け国債を3年もって解約すれば2倍稼げる計算になりますよね。
繰り返しますが、10年物の個人向け国債は変動金利の商品なので、この結果を保証することは出来ませんけどね。ただ、100%にかなり近い確率で、10年物の個人向け国債の方が有利だとは言えると思います。
興味があったら厳密に計算してみてください
ちなみに今回の計算では、所得税などは無視して計算しています。大づかみに理解する事が大事でしょうから、細かい部分は今回は言及しなくて良いと考えました。
厳密に精査したい人は、税まで含めて計算しても良いかもしれません。ただ、金利は低いので、元本が100万円以下なら、たいした差は無いと思いますけどね。
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