みずほ証券「秋得キャンペーン」は有利なのか?

ネット証券に限らず、各金融機関は時々キャンペーンを行うようです。この手のキャンペーンは、冷静に考えると、必ずしも有利ではないことも多いようです。

ただ、彼らもプロです。何となく有利なように見せかけるテクニックはすごいと思います。

2013年9月2日から10月31日にかけて、みずほ証券で秋得キャンペーンというのをやっていました。一見凄く有利に見えるのですが、よくよく考えると、あまり有利とはいえない気がします。

キャンペーンが本当に有利かどうか見分ける一つの例として、ご紹介したいと思います。

キャンペーンの肝はキャッシュバック

今回のみずほ証券のキャンペーンの肝の部分は、「一定額以上の入金をしたうえで、金融商品を買うとキャッシュバックがある」という点です。

キャンペーン対象の最低額は500万円です。500万円の入金と指定の商品購入で1万円5,000円のキャッシュバックがあります。この額から分かるように、それなりに裕福な層を対称にしているキャンペーンのようです。貧乏人には用はないのでしょうね。

ちなみに、このほかにもプラスアルファの特典があります。ただ、あくまでも重要な部分は、上記のキャッシュバックです。

率になおすと大したことがない

さて、1万5,000が戻ってくると、お得なキャンペーンのような気がしますよね。やっぱり1万円というのは一つの壁で、それを超えると何となく有利な気がするものです。

でも、投資額との比率で考えてみると、必ずしも有利ではないような気もします。500万円に対しての1万5,000円って、わずか0.3%ですよね。率で考えてみると、メガバンクの定期預金の金利程度のキャッシュバックなのです。

ちなみに、このキャンペーンは、金額が増えると有利なように設定されています。1,000万円の入金と1,000万円の指定商品の購入で、5万円のキャッシュバックなのです。計算するまでもなく1万5,000円の倍以上です。印象としては、かなりの額が戻ってくる感じがしますよね。

でも、これも、率になおして考えるとたいしたことはありません。たったの0.5%です。やっぱり、定期預金の金利並みのキャッシュバックでしかありません。

率と額を使い分けるのが金融機関の常套手段

このように、今回のみずほ証券のキャンペーンは、額で見るとそれなりに有利な感じもします。しかし、率になおすとすずめの涙ほどのキャッシュバックであることが分かります。

実はこの方法は、金融機関が良く使う方法です。負担を小さく見せる時には「率」を使い、利益を大きく見せる時には「額」を使うのです。

例えば、投資信託の販売手数料は、投資額に対して2%とか3%などと表示されます。2%の手数料などと書かれると、たいした事がないように思う人もいるでしょう。でも、投資額1,000万円なら20万円の販売手数料です。大卒新入社員の初任給くらいの手数料をとる事になるわけです。

手数料を考えると有利かどうかはケース・バイ・ケース

率にして0.3%でも、0.5%でも、お金が戻ってくる方が良いと考える人もいらっしゃるでしょう。しかし、必ずしもそうではないのです。なぜなら、手数料が高いために、キャッシュバック以上の手数料を払わされる可能性があるのです。

例えば投資信託などを買う場合、一般的には、ネット証券の方が手数料が安くなることが多いです。なぜかというと、販売手数料という手数料が、金融機関によって違うからです。当然ですが、ネット証券の方が安く設定されていることが多いです。

販売手数料に関しては、販売会社によらずに固定という場合もあります。あるいは、全く販売手数料を取らない投資信託もあります。こうした投資信託を買う場合は、みずほ証券が有利になるでしょうか。しかし、そうではないケースでは、明らかにネット証券を使う方が有利になるでしょう。

それに、そもそも店舗型の証券会社って、手数料が高目の投資信託が多い印象があります。少なくとも金融機関の窓口でおすすめとして紹介されているものは、手数料が高いことが多いです。

インターネット取引を使うつもりなら、みずほ証券でも販売手数料が無料の投資信託の扱いを増やしたようですけどね。店頭で販売しているものに関しては、やっぱり高そうな気がします。

株式の売買手数料もかなり違う

株式やETF などの売買の場合でも、店舗の窓口を使う場合よりはネット証券の方がかなり有利でしょう。みずほ証券の窓口で1,000万円分の株式を買った場合、6万8597円の買い付け手数料がかかるのです。しかも、株式は最終的に売らなければいけないので、結局この2倍近くの手数料がかかります。

結局、キャッシュバックの1,000万円よりも余分に手数料がかかるのです。つまり、みずほ証券としては、キャッシュバックなど痛くも痒くもないのです。

ここまで手数料が高いと、どう考えてもネット証券を使う方が安いです。例えば、SBI証券の場合だと、1,000万円の株式を買ったときの手数料は967円だからです。2桁も違うのです。

ただ、みずほ証券のインターネット取引を使った場合は、みずほ証券の方が若干有利です。1,000万円の買い付け手数料として2万2995円しかかからないからです。こうなると、売りと買いで2倍としても、5万円行かないのです。1,000万円入金して1,000万円分の商品を購入した場合は5万円のキャッシュバックがあるわけですから、若干のプラスになります。

もっとも、2回目以降の売買ではSBI証券の方が圧倒的に有利になってしまいます。ですから、キャンペーンで得をしようと思えば、ある株を買ってそれを売ったら、次からは違う証券会社を使わないといけません。面倒な資金移動の手間が発生するわけです。

さすがにこの程度の額のために1回だけみずほ証券を使うのは、ちょっとばかばかしいと思うのですけど。それに、1回の売買ならみずほ証券の方が有利とは言え、その差は1万円もありません。メリットと言っても、誤差みたいな話です。

キャンペーンが有利なケースはあるが

上に挙げた例のように、キャンペーンが有利に働くケースもあります。しかし、どのケースが有利なのかを吟味しないと、結局手数料の方がキャッシュバックよりも何倍も大きいということになりかねません。

しかも、2回目以降の取引からは有利でもなんでもないので、高い手数料を払い続けることになるわけです。そのために別の金融機関にお金を移すのも、面倒な話ですよね。

また、そもそもの話が、0.5%程度のメリットしかない話です。しかもネット証券との手数料の差を考えたらさらにメリットは小さくなります。そんなに考える話でもないというのが、私個人としての率直なところですけどね。

もちろん、最終的にどう考えるかは、あなたしだいです。

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