ネット証券を使うと、外貨建てMMFで資産運用をすることが出来ます。最近の高金利通貨のブームで、外貨建て商品の運用に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
本当に有利かどうかは別にして、年に10%近い金利が付くと言われたら、興味を持つのも分からなくはありません。多少の為替リスクを取ってでも運用してみたくなりますよね。
Contents
最初に結論だけ書いておきましょう
ちょっと長いので、最初に結論だけ書いておきましょう。外貨建てMMF だけを考えると、カブドットコム証券がベストでした。とりあえず外貨建てMMF で運用したいという人は、カブドットコム証券を利用しましょう。
もっとも、他の金融商品もという話になると、そこまで単純にはいかないのですけどね。
MMFとMRFのおさらい
ご存知の方が多いとは思いますが、MMF とMRF について簡単に確認しておきましょう。
MMFとは
MMF は元本割れする確率の低い、公社債投信です。短期の国内債券に投資することで、元本割れの確率を小さくしています。
MMF は購入時に販売手数料がかかりません。ただ、日本のMMF は購入から30日以内に解約すると、信託財産留保額を取られます。信託財産留保額というのは、簡単に言うと、解約手数料の事です。
ちなみに、これを書いている時点では、日本円建てのMMF はすべて新規の受付を停止されているようです。ゼロ金利政策の影響で、安定した運用ができなくなったためだとか。まあ、要するに、運用しても損をするという判断でしょう。
それに、個人投資家としても、ほとんど増えないのではメリットがないですしね。まあ、妥当な判断だと思います。
MRFとは
MRF はMMF と類似の商品です。大きな違いは、短期間で解約しても信託財産留保額を取られないという点です。つまり、売買に関しては、全く手数料がかからないわけです。
MMF の使われ方としては、証券会社の口座の残高の運用手段として使われます。そのまま現金で口座に置いておくよりも、MRF で持っていた方が多少はマシというわけですね。
ちなみに楽天証券では、MRF の取り扱いを止めてしまいました。どうやら、楽天銀行を使って運用資金の管理をさせたいようですね。
マネーブリッジという機能を使うと、楽天銀行の口座残高で楽天証券の金融商品が買えるのです。ですから、それを使えば、MRF は不要だという話になるわけです。

geralt / Pixabay
外貨建てMMFとは
さて、それでは、本命の外貨建てMMF についてです。
外貨建てMMFというのは、外貨建てで運用されるMMF です。ただ、MMF という名前がついていますが、実は、日本のMRF に近い商品と考えた方が良いでしょう。まあ、この辺りは後述します。
外貨建てというのは、日本円では無くて外貨で買い付けて、解約すると外貨が戻ってくるという事ですね。
まあ、最近は、日本円と外貨の両替を自動的にやってくれるところもあるようですけど。基本は外貨建て買って、売ると外貨が戻ってくるというのが外貨建てです。
ということで、米ドルやユーロなどの外貨で運用さるMMF が外貨建てMMF です。
あ、これもちょっと補足が必要ですね。これを書いているタイミングでは、ユーロの金利が低いために、ユーロ建てのMMF は見かけません。さらに、もっと高金利の通貨建てのMMF が人気だったりします。例えば、ブラジル・レアルなどです。
外貨建てMMF はMRF に近い
上にチラッと書きましたが、外貨建てMMF は日本のMMF よりは、MRF に近い商品です。というのも、外貨建てのMMFは中途解約に対して手数料がかからないからです。
そもそも日本のMMF と海外のMMF は名称からして違うんです。日本のMMF が≪MMF(Money Management Fund≫の略称であるのに対し、海外のMMF は≪Money Market Funds≫の略称なのです。
つまり、略称にすると同じに見えますが、違う種類の投資信託だったわけですね。
外貨普通預金と近いといった方が分かりやすい?
あるいは、外貨普通預金と近いといった方が、分かりやすいでしょうか。私たち個人投資家から見ると、外貨建てMMF と外貨普通預金はほとんど同じ金融商品だと考えて良いですからね。
実際の運用に関しては、預金と投資信託なので違いはあるんですけどね。私たちには見えない部分ですから。
ちなみに、金利だけを見ると、外貨建てMMF の方が高いです。ただ、外貨建てMMF は運用する通貨ベースでも元本割れするリスクはあります。
まあ、外貨で運用している以上、円ベースで見れば、外貨預金も元本割れリスクはかなりあるんですけどね。
為替のコストが掛かることに注意
私たちが外貨建てMMFを買う場合は、日本円を一旦外貨にしてから購入することになります。そのため、為替手数料がかかります。
ただ、銀行などで外貨を購入するときや外貨預金に比べると、一般的に手数料は安いようです。その代わり、FXと比べるととんでもなく高いです。
まあ、FXはちょっと特殊な事をやっていますからね。単純比較はできませんけど。でも、FXよりも投資の効率が落ちるのは間違いありません。
また、為替の変動があり、為替差益や為替差損が出る可能性があります。このため、日本のMMFほど安全な商品ではないと認識しておいた方がいいでしょう。
さすがに外貨建てMMF を自分から買おうという人だと、この辺りは大丈夫でしょうけどね。外貨建て終身保険という保険で、銀行がトラブルを起こしたりしているようですから、一応注意はしておきます。
高金利は魅力なのか?単なるリスクの裏返しなのか
しかし、海外には高い利回りの地域もあります。金利が高い地域というよりは、金利が高い通貨というべきでしょうかね。
一部の通貨で高い利回りが期待できるのは、外貨建てMMFの魅力の一つと言っていいでしょう。円建てで元本保証の運用をしても、手数料にすら勝てませんからね。
また一般に、銀行の外貨普通預金より利回りが高いことが多いようです。外貨預金を検討するなら、外貨建てMMFを検討した方がいいかもしれません。
どの証券会社を使えば良いのでしょう
外貨建てMMF を始めるなら、どの証券会社を選べばいいのでしょうか。取扱っている通貨と、為替手数料で比較してみましょう。
取り扱う通貨は共通
まず、外貨建てMMF として取り扱っている通貨ですが、驚いたことに4社とも同じ通貨建てのMMF を使っていました。多少の差はあるだろうと思っていたので、ちょっと驚きました。
具体的には、米ドル、カナダドル、豪ドル、NZドル、南アフリカランド、トルコリラの6つです。
通貨が同じでも異なる投資信託である可能性がありますので、パフォーマンスに差はあるでしょうけどね。特に、米ドル建ての場合は、複数の投資信託を扱っているところもあります。具体的には、SBI証券が4本で、楽天証券が2本ですね。
為替手数料はカブドットコム証券が若干有利
為替手数料に関しては、カブドットコム証券が若干有利でしょうか。
具体的な手数料を比較してみました。日本円から外貨、外貨から日本円に替える時の1通貨あたりの片道の手数料です。スプレッドというやつですね。
これを見ると分かるように、どの通貨でも若干ですが、カブドットコム証券が有利です。逆に、SBI証券は為替手数料に関しては割高なんですね。勉強になりました。
カブドットコム証券で良いでしょう
為替手数料くらいしか差がありませんから、外貨建てMMF のみで運用するつもりなら、カブドットコム証券を使うのが良いでしょう。
ただ、他の外貨建て商品を考えているのであれば、SBI証券か楽天証券の方が魅力的でしょうかねえ。やっぱり、ASEAN やロシアの株式が買えるというのは、魅力ですからね。
この辺りは、考え方次第でしょうけどね。
証券会社選びに迷ったらSBI証券かGMOクリック証券がおすすめ
証券会社選びに迷ったら、どの証券会社を選べば良いのでしょうか。個人的にはSBI証券かGMOクリック証券をおすすめします。
SBI証券は品揃えも多く、手数料も比較的安い証券会社です。オリコンによる顧客満足度調査でトップの常連でもあります。
GMOクリック証券は手数料が安い証券会社です。また、オリコンの顧客満足度調査でも常に上位にいる会社でもあります。

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