「株式るいとう」(あるいは単に「るいとう」)は毎月1回のペースで1銘柄の株式を積立てていくサービスです。主に、野村證券や大和証券などの大手の証券会社を中心に取り扱いがあります。ただ、このサービス、手数料の高さがネックになりそうです。

株式の積立の手数料について考えてみましょう。
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手数料が高いところを選ぶと後悔します
「株式るいとう」の手数料は、証券会社によってかなりの開きがあります。ということは、間違って手数料の高い証券会社を利用してしまうと、それだけで投資の失敗につながる可能性があるわけです。
るいとうに投資するときは、慎重に証券会社を選びましょう。このページでは、「株式るいとう」の手数料について、もうちょっと掘り下げてみてみましょう。

株式の積立の手数料について、掘り下げてみましょう。
野村證券の場合
手数料の高い例として、野村證券のケースでご説明します。
ちなみに、野村が群を抜いて高いわけではありません。大手は大体こんな感じだと思ってください。単に、一番大きな証券会社だから選んだだけの話です。
月々1万円を積立て
野村證券を使って、月々1万円を投資すると考えましょう。
野村證券の場合、るいとう専用の口座を持たないといけません。この口座を持つのに、以前は年間3,150円の口座維持手数料がかかっていました。
しかし、現在は、この手数料は廃止されています。これは良い情報でしょう。
ただ、大和証券のように、いまだに「株式るいとう」の口座の口座維持手数料が残っているところもあります。大体年間3,000円程度という事が多いようですね。

口座を持つだけで年間3,000円もかかるなんて、あり得ません。
「株式るいとう」では毎月株式を買っていくわけですから、買い付けに対しても手数料を払わないといけません。野村證券のサイトには、「株式るいとう」の売買手数料に関して、次のような説明がありました。
お買付時、ご売却時には、一律1.188%(税込)の売買手数料がかかります。
ということは、月々1万円投資する場合、毎回118円の手数料がかかります。1年間投資したとすると、1,416円です。当面は売却はしないでしょうから、1,416円が年間の手数料となります。
やっぱり高い
ということは、12万円の買い付けに対して、1,416円の手数料が発生していることになります。これって、非常に高いと思いませんか。
というのもネット証券で普通に株式を買うと、かなり小さい手数料だからです。例えば、SBI証券で12万円の株を買ったとすれば、税込みで113円です。
「株式るいとう」というちょっと特殊な商品であるとはいえ、さすがにこの差は大きいと言わざるを得ないでしょう。
そもそも、売買で2%も手数料がかかるとなれば、その時点でかなり投資対象としての魅力がなくなります。
しかも、他の証券会社だと、これに年間3,000円もかかるのです。もう、ちょっと、あり得ない金額ですね。
カブドットコム証券のプレミアム積立(プチ株)ならどうだろう?
さて、ネット証券であるカブドットコム証券では、プレミアム積立という株式と投資信託の積立サービスがあります。「株式るいとう」とはちょっと違うのですが、株式の積立ができるという意味ではかなり似ているサービスです。
これを使った場合はどうでしょうか。
この商品の場合、口座管理手数料はかかりません。まあ、ネット証券ですからね。あまりがめつい事をしていては商売になりません。
買付の手数料ですが、ちょっと変わっています。1回ごとに買付手数料が下がっていくのです。2万円までの積立てに関しては、次のような手数料がかかります。
初回:100円
2回目:90円
3回目:80円
4回目:70円
5回目:60円
6回目:50円
7回目:50円
8回目:50円
9回目:50円
10回目:50円
11回目:50円
12回目:50円
これで1年間積立てた場合は、年間の手数料は750円かかります。これに消費税がかかりますから、810円手数料がかかることになります。
率直に言ってまだ高い感じがしないわけではありませんけどね。ただ、だいぶマシな水準になったのは事実です。
また、月々2万円までは手数料が変わりませんから、積立額を2万円にすると、手数料が同じで倍の金額を積立てられます。ここまですると、マズマズという感じですね。
逆に、少額の積立はちょっと考えられません。最低でも月々1万円程度は積立てないと、手数料が高くてバカバカしい感じになってしまいます。
長期で考えてみましょう
このように、野村證券とカブドットコム証券では、初年は606円の手数料の差があります。そして、最終的には年間768円の差になります。
この差をたいした事が無いと思うかもしれませんが、長期投資ではこういうところにこだわっていくのが大事です。長期で考えれば数千円とか数万円の差になりますし、節約した部分を複利で運用できると考えたら、その差はさらに大きくなりますから。
大手の方が安心?
カブドットコム証券のプレミアム積立の手数料が安いのは分かりました。ただ、多少手数料が高くても、大手の方が何かと安心と考える人もいるでしょう。
しかし、実は、その考えも正しくはありません。
るいとうの場合、株式の名義人はあなたではなく証券会社です。証券会社が株式を保有していると言う格好なのです。
それに対して、プレミアム積立の場合は、名義人は投資家自身です。投資家自信が名義人ということは、極端な言い方をすれば、証券会社がつぶれようがどうしようが株主としては影響されないと言うことです。
一方るいとうの場合は、名義人が証券会社ですから、万一証券会社が倒産ということが起きれば、会社の資産として清算されてしまいます。そして、あなたは、投資家は証券会社に対する債権者と言うことになるわけです。
しかも、カブドットコム証券は、実はかなりの大手であるとも言えるのです。というのも、三菱UFJのグループ会社なのです。実際、株式の52%は三菱UFJ証券ホールディングス株式会社が保有しています。
その意味では、倒産のリスクはかなり小さいと考えて良いでしょう。仮に潰すとしても、顧客を保護しないような変な潰し方はまずしないと考えるべきです。

カブドットコム証券は大手の金融グループの一角です。その意味では、安心感は小さくありません。
ということで、株式の積立を考えているのなら、カブドットコム証券が良いのかなあと思います。
「株式るいとう」の買付額と手数料を比較
せっかくなので、「株式るいとう」の月々の買付額と手数料を何社かで比較してみましょう。本当にカブドットコム証券が有利なのか確認できるでしょう。
ちなみに、売買手数料に関しては、月々1万円を積立てた場合の最高の手数料を計算しています。これに関しては、あとでちょっと補足があります。
■ カブドットコム証券
買付額:月々500円以上1円単位
手数料(税込):1.08%(実質的にはもう少し安い。後述します。)
■ 野村證券
買付額:月々1万円以上1,000円単位
手数料(税込):1.188%
■ 大和証券
買付額:月々1万円以上1,000円単位
手数料(税込):1.242%
特記事項 株式累積投資口座管理料が年間3,240円(税込)かかる
■ SMBC日興証券
買付額:月々1万円以上1,000円単位
手数料(税込):1.242%
■ 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
買付額:月々1万円以上1,000円単位
手数料(税込):1.4040%
■ ちばぎん証券
買付額:月々1万円以上1,000円単位
手数料(税込):1.188%
大和証券は論外だね
とりあえず言えるのは、大和証券は論外ですね。はっきり言って、年間3,240円の口座管理手数料は高すぎます。
カブドットコム証券の手数料はもっと安い
月々1万円を積立てた場合の最高の手数料で比較すると、カブドットコム証券に手数料的なメリットは感じられなくなってしまいました。ほとんど誤差みたいな感じです。
でも、実際には、カブドットコム証券の手数料はさらに安いと思ってください。というのも、プレミアム積立(プチ株)の手数料は、2か月目から安くなっていくからです。半年たつと半分になります。これは、上でご説明した通りですね。
そう考えると、積立額の上でも、手数料の上でも、カブドットコム証券が優れていることになります。
◆るいとう取扱の証券会社を比較
◆るいとう取扱の証券会社を比較(比較の詳細)
◆るいとう取扱の証券会社を比較(まとめ)
証券会社選びに迷ったらSBI証券かGMOクリック証券がおすすめ
証券会社選びに迷ったら、どの証券会社を選べば良いのでしょうか。個人的にはSBI証券かGMOクリック証券をおすすめします。
SBI証券は品揃えも多く、手数料も比較的安い証券会社です。オリコンによる顧客満足度調査でトップの常連でもあります。
GMOクリック証券は手数料が安い証券会社です。また、オリコンの顧客満足度調査でも常に上位にいる会社でもあります。

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